JAPHICマークは、日本国内に事業拠点を置く事業者全般が対象となるマークです。
また、こちらと同じような第三者認証として、医療や福祉関係の事業者が取得できるJAPHICマークメディカルというものがあります。
今回は、JAPHICマークメディカルの概要や開始の背景、対象事業者などについて解説します
JAPHICマークメディカルの概要
JAPHICマークメディカルは、医療や介護、福祉関係の事業を営み、なおかつ日本国内に事業拠点を置く事業者を対象とした第三者認証制度です。
個人情報保護法だけでなく、医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取り扱いのためのガイダンス、特定個人情報の適正な取り扱いに関するガイドラインに準拠し、個人情報保護の適切な保護措置を整備、運用している事業者に対し、JAPHICマークメディカルが付与されます。
簡単に言えば、JAPHICマークの医療・介護・福祉版であり、こちらもJAPHICマーク同様、自社の信頼性を顧客や取引先などにアピールすることができます。
JAPHICマークメディカル制度開始の背景
企業における個人情報の取り扱いについては、年々要求が厳しくなっています。
もちろん、こちらは一般的な企業だけでなく、医療や介護、福祉関係事業者にも同じことが言えます。
また、これまでも医療・介護・福祉業界では、事業者から「第三者認証を受けたい」という要望がありましたが、これらの業界に適合する認証制度は非常に少なく、各社はそれぞれの判断で、個人情報保護体制を強化するしかありませんでした。
JAPHICマークメディカルは、このようなニーズに応えるため、医療・介護・福祉関係事業者に特化した第三者認証制度としてスタートしています。
JAPHICマークメディカルの認証対象事業者
JAPHICマークメディカルは、厚生労働省の指導のもと、個人情報を適切に取り扱う事業者に対して付与されます。
具体的には、医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取り扱いのためのガイダンス、特定個人情報の適正な取り扱いに関するガイドラインにおいて、「しなければならない」と記載されている項目を100%、望ましいと記載されている項目を70%以上実施していることが条件です。
また、対象事業者の主な形態は以下の通りです。
・医療関係事業者(病院、診療所、助産所、薬局など)
・介護、福祉関係事業者(介護保険法に規定する介護予防サービス事業、地域密着型サービス事業、居宅介護支援事業、老人福祉施設の経営事業などを行う事業者)
ちなみに、上記の形態に該当し、個人情報を適切に取り扱っていたとしても、以下の欠格事由に該当する場合は、JAPHICマークメディカルを取得することができません。
・申請の日の前2年以内にJAPHICマークメディカル認証の取り消しを受けている
・申請の日の前2年以内に個人情報漏えいなどを引き起こしている
JAPHICマークメディカルに関する費用について
JAPHICマークメディカルの審査にかかる費用は、新規申請の場合、申請審査料が118,800~385,000円、認証料が49,500~165,000円です。
こちらの費用は、申請事業者における従業員数に応じて決定され、規模が大きければ大きいほど取得費用は高額になります。
また、更新時には、申請審査料が63,800~242,000円、認証料が49,500~165,000円かかります。
ちなみに、これらはJAPHICマーク認証機構に支払うものですが、審査員の移動交通費、宿泊費などに関しては、個人情報審査センター(PICC)に支払わなければいけません。
金額については、PICCから送付される請求書に記載されています。
まとめ
ここまで、JAPHICマークメディカルの概要や開始の背景、対象事業者などについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
こちらを取得することで、個人情報保護を強く意識した医療・介護・福祉事業者であることが証明できます。
また、事業者がこちらのマークについて学習するだけでも、少しずつ各ガイダンスやガイドラインに関する知識は増えていくため、取得を目指して損はないと言えます。