JAPHICマーク取得企業における個人情報保護体制は、当然社内のみならず、OSやWebサイトにまで行き渡るようにしておかなければいけません。
そうしなければ、第三者によって脆弱性を突かれてしまいます。
今回は、JAPHICマーク取得企業が注意すべきOSやWebサイトの脆弱性を狙った攻撃について解説します。
JAPHICマーク取得企業が注意したいOS、Webサイトの脆弱性を狙った攻撃5選

以下のような攻撃の被害に遭うと、JAPHICマーク取得企業はその地位が危ぶまれることもあるため、注意しなければいけません。
・ゼロデイ攻撃
・SQLインジェクション
・フォームジャッキング
・OSコマンドインジェクション
・クロスサイトスクリプティング
各項目について詳しく説明します。
ゼロデイ攻撃

ゼロデイ攻撃は、発見された脆弱性を解消するための対策が提供される前に行われるサイバー攻撃です。
ソフトウェアに脆弱性が発見された場合の根本的な対策は、開発元などから提供される修正プログラムやパッチです。
ゼロデイ攻撃では、これらが提供される前に攻撃が行われます。
またゼロデイ攻撃への対策としては、脆弱性が発見されたソフトウェアやアプリケーションの使用を中止することや、IDS/IPSなどで攻撃を検知・遮断することなどがあります。
SQLインジェクション

SQLインジェクションは、Webアプリケーションの脆弱性を意図的に利用し、断片的なSQL文をアプリケーションに注入(インジェクション)し、実行させる攻撃手法です。
こちらの攻撃を受けた場合、データベースに保存されたデータが不正に読み取られたり、改ざんもしくは削除されたりします。
SQLインジェクションの基本的な対策には、不正SQL文の実行を防ぐプレースホルダの利用や、Webアプリケーションを最新バージョンに保つことなどが挙げられます。
フォームジャッキング

フォームジャッキングは、悪質なJavaScriptコードを入力フォームが含まれているWebサイトなどに仕掛け、ECサイトの決済・購入ページから情報を盗み出すものです。
Web版スキミングと呼ばれることもあり、顧客のクレジットカード情報などが窃取されると、ECサイトを運営するJAPHICマーク取得企業の信用は大きく低下します。
またフォームジャッキングは、サーバーサイドでの対策が特に重要です。
具体的には管理画面のURLを推測されにくいものにしたり、管理画面へのアクセス制限を適切に行ったりすることが望ましいです。
OSコマンドインジェクション

OSコマンドインジェクションは、Webサイトに向けて不正な入力を行うことにより、Webサーバー側で想定していない動作をさせるサイバー攻撃です。
攻撃者が渡した命令文がサーバー上で強制的に実行されることで、情報の改ざんや削除などの被害に遭う可能性があります。
またOSコマンドインジェクションは、Webアプリケーションに対する外部からの攻撃を防御するWAFの導入などで対策が取れます。
クロスサイトスクリプティング

クロスサイトスクリプティングは、Webサイトの脆弱性を利用し、記述言語であるHTMLに悪質なスクリプトを埋め込む攻撃です。
ブログなどユーザーの入力内容をもとにWebページを生成するサイトや、X(旧Twitter)のようなWebアプリケーションはこちらの対象になりやすいです。
クロスサイトスクリプティングの攻撃を受けたJAPHICマーク取得企業は、個人情報の流出やマルウェア感染などの被害に遭う可能性があります。
そのため、サニタイジング(スクリプトの無害化)や入力値の制限、WAFなどで対応しなければいけません。
まとめ
OSやWebサイトの脆弱性は、インターネットを活用する企業活動に多大な悪影響を及ぼします。
特にJAPHICマーク取得企業は、個人情報の流出や改ざん、二次利用などの被害に遭わないために、徹底的な対策を取らなければいけません。
また前述したような対策の効果については、定期的に測定し、問題があれば修正することが求められます。