JAPHICマークは、個人情報の取り扱いが適切でなければ取得できません。
しかし、取得企業であれば未来永劫その体制を取り続けられるかというと、決してそういうわけではありません。
特に従業員の負担が増加すると、さまざまな問題が生じます。
今回は、JAPHICマーク取得企業における従業員の負担増加の原因、デメリットを解説します。
従業員の負担増加の原因

従業員の負担が増えてしまう主な原因は以下の通りです。
・人材不足
・業務配分のミス
・効率の悪さ
各項目について詳しく説明します。
人材不足
JAPHICマーク取得企業では、優れた情報セキュリティ人材が必要不可欠ですが、実際はどの現場でも人材不足が顕著です。
デジタル技術の普及に伴い、情報セキュリティ対策の対象範囲が広がり、近年は高度な知識を持った人材が求められるようになりました。
また、日本のIT教育はお世辞にも進んでいるとは言えません。
このような理由で、JAPHICマーク取得企業でも人材不足が発生し、長時間労働や疲労の蓄積などにつながりやすくなっています。
業務配分のミス

JAPHICマーク取得企業の上層部が業務配分のミスをしている場合、従業員の負担は増加します。
具体的には、一部の従業員に業務が集中し、他の従業員との業務バランスが崩れることが考えられます。
効率の悪さ
JAPHICマーク取得企業では、従業員が効率的に業務にあたれないと、同じ業務であっても費やす時間が増え、結果的に負担が大きくなります。
こちらは必要性の低い会議や、情報共有不足によって生じるコミュニケーションのミスなどが原因です。
従業員の負担増加によるデメリット

JAPHICマーク取得企業において、従業員の負担が増加してしまうと、以下のようなデメリットが生じます。
・モチベーションの低下
・休職者の増加
・離職者の増加
・ミスの増加
各デメリットについて詳しく説明します。
モチベーションの低下
業務の負担が増加した従業員は、少しずつモチベーションを低下させていきます。
またモチベーションの低下により、本来個人情報を運用する際に守るべきルールが守られず、インシデントが発生するケースなどもあります。
休職者の増加
従業員の負担増加は、休職者が増加することにもつながります。
こちらは当然身体的、精神的な負担が大きくなるからです。
特にJAPHICマーク取得企業では、情報セキュリティ分野の核を担うセキュリティ担当者の負担が増加しがちです。
もし急にセキュリティ担当者が長期休養を取るなどの状況になった場合、JAPHICマーク取得企業は強固な個人情報保護体制を維持できなくなる可能性があります。
離職者の増加

従業員の負担増加は休職者だけでなく、離職者を増加させることにもつながります。
先ほども触れたように、ただでさえJAPHICマーク取得企業は人材不足に悩んでいます。
そのような状態で離職者が増えると、残された従業員の負担はさらに増加します。
またそれが新たな離職者を生み、やがて企業として立ち行かなくなってしまうことも考えられます。
ミスの増加
業務の負担が大きいということは疲れも大きいということであり、従業員は集中力も失いがちになります。
その結果、業務上のミスが多発することも考えられます。
もちろんこちらのミスには、情報セキュリティインシデントにつながるミスも含まれています。
例えばメールの送信ミスや、ホームページによる個人情報の誤った公開などが挙げられます。
まとめ
ここまで読んでいただいた方はお分かりのように、JAPHICマーク取得企業の従業員の負担増加は、個人情報保護体制の崩壊に直結する可能性があります。
そのため関係者特に上層部の方は、常に現場の状況をチェックし、過度な負担がかかっていないかをチェックしなければいけません。
また個々の従業員とコミュニケーションを取る機会を設け、メンタルヘルスケアを行うのも大切です。