数多くの個人情報を取り扱う企業にとって、こちらが漏えいすることへの対策は必要不可欠です。
また、このときに考えられる対策としては、セキュリティソフトの導入などが挙げられますが、JAPHICマークの取得も対策の1つです。
ここからは、JAPHICマークの概要や取得のメリットについて解説します。
JAPHICマークの概要
JAPHICマークは、個人情報保護法に基づいて作られた個人情報保護委員会が管理する“個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン”および“特定個人情報の適切な取扱いに関するガイドライン”に準拠し、適切な保護措置が可能な体制を整備・運用している企業を認証するという制度です。
認証事業者には、その旨を示すJAPHICマークが発行され、事業活動に関し、当マークの使用を認めています。
また、JAPHICマークの認証は、国内に活動拠点を持ち、なおかつ要件を満たし、事業活動で個人情報の保護を推進している企業であり、部門ごとに取得することも可能です。
JAPHICマークを取得することのメリット
企業が個人情報対策としてJAPHICマークを取得することのメリットとしては、主に以下のことが挙げられます。
- 低コスト、低負担で取得できる
- 業務実態を重視した仕組みを構築できる
- 情報漏えい保険が適用される
- 顧客や取引先企業からの信頼度がアップする
低コスト、低負担で取得できる
JAPHICマークは、新規取得時、更新時にコストがかかります。
新規取得の場合の費用は14万~26万円程度、更新時の費用は8万~21万円程度です。
もちろん、企業にとってこれらのコストはある程度負担になりますが、同じく個人情報対策の取扱いについて証明するPマークと比べると、費用は半分~1/4ほどしかかかりません。
また、JAPHICマークは取得までにかかる期間が約3ヶ月と短く、従業員などにかかる負担も少ないのもメリットです。
業務実態を重視した仕組みを構築できる
JAPHICマークは、厳しい審査をパスしなければ取得できないのかというと、決してそういうわけではありません。
個人情報の各ガイドラインにおける必要な項目を実施し、なおかつ欠格事項に該当しない企業であれば取得することができます。
つまり、日常的にできる個人情報保護対策を重視している制度であるため、企業は現段階の業務実態を崩さず、個人情報保護の仕組みを構築できるということです。
情報漏えい保険が適用される
JAPHICマークを取得した企業は、情報漏えい賠償責任補償保険(情報漏えい対応費用補償特約セット)の適用を受けることができます。
賠償責任の支払い限度額は500万円、情報漏えい対応費用の支払い限度額は200万円で、万が一サイバー攻撃などにより、不測の事態が発生してしまったとしても、企業における経済的なダメージを抑えることが可能です。
顧客や取引先企業からの信頼度がアップする
JAPHICマークの取得事業者は、自社のホームページなどにおいて、認定事業者であることを公表することができます。
こちらは、ステークホルダー(利害関係者)である顧客や取引先、株主や金融機関などからの信頼度アップにつながります。
JAPHICマークは、個人情報保護の第三者認証におけるアイコンとも呼べるPマークに比べると、多少認知度については劣ります。
しかし、官公庁等では、すでにPマークと同等の入札要件として扱われているため、こちらの認定事業者であると公表できることは、企業にとって大きな強みになります。
まとめ
ここまで、企業がJAPHICマークを取得することのメリットを中心に解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
個人情報保護の漏えい事故が発生すると、これまで築き上げてきたステークホルダーの信頼は一瞬のうちに失う可能性があります。
もちろん、その際には業務停止、莫大な損害賠償などが発生することも考えられます。
そのため、日頃から強固な保護体制を確保するためにも、JAPHICマークの取得は必要不可欠だと言えます。
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