JAPHICマークは、適切な個人情報の保護体制が整備され、それに準じた運営を行っていることを証明できる、企業における第三者認証の1つです。
また、JAPIHCマークに似た第三者認証としては、Pマークというものも挙げられます。
今回は、これらのマークにおける違いを中心に解説したいと思います
Pマークの概要
Pマークは、正式にはプライバシーマークと呼ばれるもので、JAPHICマークと同じく、個人情報の保護体制に対する第三者認証制度です。
一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)が使用を許諾するもので、1998年、早期に実現可能で実効性のある個人情報保護のための方針として、通商産業省(現経済産業省)の指導により、当制度の運用が開始されました。
個人情報の観点から、Pマークを取得する企業は非常に多く、その数は2022年9月時点で1万7,000社を超えていて、日本でもっとも有名な認証と言えます。
JAPHICマークとPマークの違い
JAPHICマークとPマークは、どちらも個人情報の保護体制を対象とした第三者認証ですが、以下のような違いがあります。
・審査基準
・取得コスト
・運用負担
・取得までの期間
・知名度
審査基準
JAPHICマークとPマークとでは、審査基準が異なります。
Pマークは、JIS Q 15001という規格を審査基準のベースとしています。
こちらは、個人情報保護マネジメントシステム要求事項というもので、組織が業務上取り扱う個人情報を安全で適切に管理するための標準となるべく、一般財団法人日本規格協会の原案によって策定された、日本産業規格の1つです。
これに対し、JAPHICマークは、経済産業省が出しているガイドラインを審査基準としていて、Pマークと比べて審査基準は緩くなっています。
取得コスト
JAPHICマークとPマークでは、取得にかかるコストにも違いがあります。
新規取得の場合、Pマークの取得にかかるコストは、約285,000円~1,140,000円ですが、JAPHICマークの場合、約140,000円~286,000円で取得することができます。
そのため、特にコストを抑えたい小規模事業者にとっては、JAPHICマークの方が取得を目指しやすいと言えます。
運用負担
先ほども触れましたが、Pマークは審査基準が比較的厳しいです。
また、その厳しい審査を通過するために、社内においては難しい業務フローが求められ、場合によっては融通性を度外視した運用を敷かれている企業もあると言われています。
一方、JAPHICマークは、審査を通過するためではなく、あくまで企業内において、日常的に実現できる個人情報の仕組みを重視しています。
つまり、融通性を無視した仕組みなどは構築する必要がないということです。
取得までの期間
Pマークは、取得するまでに最低でも6ヶ月はかかるとされています。
一方、JAPHICマークにおける取得までの期間は約3ヶ月であり、Pマークの半分ほどしかありません。
こちらは、申請から取得までの期間が短いということだけでなく、企業全体や従業員にかかる負担も軽減されることを意味しています。
知名度
Pマークの概要でも触れた通り、Pマークの取得企業数は、1万7,000社を超えています。
一方で、JAPHICマークの取得企業数は、まだ3桁しかありません。
そのため、知名度で言えば、JAPHICマークよりPマークの方が上だと言えます。
ただし、こちらはJAPHICマークの価値が低いということではありません。
JAPHICは、経済産業大臣認定の個人情報保護団体として認められていて、このことからここ数年で格段に知名度をアップさせています。
まとめ
ここまで、JAPHICマークとPマーク、2つの第三者認証制度の違いについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
Pマークは歴史が深く、知名度や価値も申し分ない第三者認証ですが、審査基準の緩さやコストの負担を考えるのであれば、やはりJAPHICマークの取得がおすすめです。
JAPHICマークであっても、企業の個人情報保護に対する姿勢や体制については、十分評価されることが期待できます。